nvc NVCについて

NVC(Non-voilent communication:非暴力コミュニケーション/共感的コミュニケーション)とは、アメリカの臨床心理学者カール・ロジャーズ博士に師事した、マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって1970年代に体系づけられた、コミュニケーションの方法です。

  • 頭(思考)で判断・批判・分析・取引などをするかわりに、自分自身と相手の心の声に耳を傾け、感情、ニーズ(大切なもの)を明確にしていく。
  • 誤解や偏見からではなく、共感的なつながりを構築することにより、こころからコミュニケーションをすることをめざしていく。
  • 支配・対立・緊張・依存の関係を、個性豊かで協力的な革新的な関係へと変え、互いを豊かにする価値を生みだす力となす。

NVCは社会課題の解決の根本に迫る画期的なアプローチとして、紛争解決の現場や教育機関、職場や家庭、コミュニティや社会活動など、さまざまな現場で導入されています。

“共感力”がイノベーションの鍵

マイクロソフト社CEOサティア・ナデラ氏は2014年の就任直後に最高幹部に、マーシャル・B・ローゼンバーグ博士の著作『NVC -Language of Life(邦題:”NVC -人と人との関係にいのちを吹き込む法”(日経新聞社))』を読むことを求めました。読書家として知られる同氏は毎年、この本を推薦図書トップ10に選んでいます(出典: “Fast Company” “Sanya Nadella Rewrites Microsoft’s Code”)。同氏の経営手腕は「共感経営」として知られ、マイクロソフト社の企業文化変革や業績の改善に大きな影響を及ぼしたと言われています。米国本社では数々のNVCトレーニングが導入されています。

“関係性の質”の変化が、創造性を高める

医薬・化学品企業メルク(Merck)社は、NVCに基づいたトレーニングを導入したことによって、業務の達成や対人相互作用の質、効率性などの向上が確認されました。参加者100%が自身や他者の効率性の向上を実感、問題解決の時間が67-90%削減され、課題解決にかかる時間は10-33%削減。課題解決のためのミーティング数は50-80%に削減しました(出典:Research Paper from Center for Collaborative Communication)。

『ティール組織』の多くが実践

新しい働き方・組織や社会のあり方が模索される中、世界的ベストセラーとなり日本でも「ビジネス書大賞2019」経営者賞等を受賞した「ティール組織」(フレデリック・ラルー著)。同書においても紹介されるNVCは、ティール組織として紹介される組織の多くで実践されている手法として注目されています。単なるコミュニケーション・スキルではなく、組織の文化やあり方を変えるインパクトを持つ視点と実践的手法として、組織変革とともにNVCの実践に取り組む企業・NPOなどの組織が増えてきています。

サステナブル (持続可能) な社会を築く精神的基盤

この他、持続可能な森林管理・利用を推奨する国際認証機関、FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)における大企業と先住民族の間の調停、国連機関における研修、州法制定のための合意形成など、さまざまな現場において、NVCが導入されています。

NVCの3つの意図

  • 過去からのしがらみのない、お互いの人間らしさが見えるつながりの質をめざす
  • お互いのニーズ(大切なもの)が満たされることを、同じくらい大切にする
  • 行動を起こす時は、喜びから行えることをめざす

NVCの4つの要素

  • 観察(Observation)
  • 感情(Feeling)
  • 大切なもの/ニーズ(Needs)
  • リクエスト(Request)

参考情報

  • マーシャル・ローゼンバーグ
    「NVC(非暴力コミュニケーション)」

  • ヨラム・モセンゾン: Chinese Minister Story
    (環境NGOに政府との交渉スキルを教える)

  • マリー・ミヤシロ「共感の真のパワー」
    (翻訳はこちら