今回は「認知症」をテーマに、NVCの観点から、共生社会のあり方について考えて行きます。
題材とするのは、「Dementia Together–認知症とともに– （仮題）」という、英国のCNVC認定トレーナーPati Bielak-Smith （パティ・ビエラーク・スミス）さんによる書籍です。

彼女は住み込み介護士としての経験をもとに、NVCの原則をいかした認知症介護のトレーニングや、認知症の人と家族のつながりサポートを提供。アルツハイマー病協会の認知症チャンピオンとして、地域社会のための認知症情報セッションの進行役を務めています。また、瞑想講師や、組織コミュニケーション・コンサルタント、トレーナーとしても活躍し、現在はNVCとパーソン・センタード療法の統合を専門とする個人事務所を運営して、夫と共に英国ウェールズに在住しています。

この本では「認知症」と診断された人たちを、「認知症」という診断名を超えた存在として受けとめること。そして、「認知症患者とその介護者」といった固定化された枠組みを超えて「認知症の影響の中で生きる人たち」と捉え直すことによって、認知症をめぐる誤解や思い込みをほぐし、より豊かな選択肢を育む視点を、コミュニケーションという具体的な手法を用いて紐解いています。

この本をひとつのきっかけに、NVCの観点から、共生社会の可能性を探求していきましょう。

2025年3月20日（祝）9:00 – 10:30 （オンライン）

「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行されました。「共生」とはどういうことでしょうか？

主催者は、「共生」に関する実践的学問知である紛争解決・平和構築学の研究者として、認知症との共生社会について研究したり考えてきています。今回は、全国で「共生社会の実現」を推進するリーダーの方々をゲストにお招きして、紛争解決・平和構築の視点を絡めながら、「共生社会って何だろう？」「認知症と共生するって？」ということを考えるときをもちたいと思います。